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企業型学習塾の裏事情と進路指導
- 2017年09月27日
- 最初から名学館に通われている方はあまりご存じでないかもしれませんが、
一般的に学習塾というものは少しでも偏差値の高い高校に行かせたがるものです。
と言いますのも、「○○高校に○○人合格!!」と謳いたいからです。
確かに実力が伴い、将来大学に入りたいのであればそれは構わないと思います。
しかしながら、無理をしてまでとにかく偏差値の高い方に指導(誘導)するというのもどうでしょう。
まして、本人が実業高校で技術を身につけて、具体的に何がやりたいか決まっているのにも
かかわらず、何が何でも多北へ、多治見へ可児へというのはどうかと思います。
当塾では元々進学実績を謳い文句にして生徒を集める気がないので、そのような進路指導には
なりません。
そもそも、学習塾を営んでいるにもかかわらず、いい高校、大学を出ていい会社に就職することが幸せだとは思っていません。
極端な例を挙げれば、昨年、電通の女性社員の過労自殺事件というものがありました。
東大卒という学歴エリートであり、日本では一流の広告代理店に就職できたわけですから、本人はもとより、親御さんもさぞかし喜ばれたことでしょう。しかしながら、最大の不幸を自ら選ぶ結果となってしまいました。
これからは、みんながいいと言っているからとか、世間的に体裁が良いからとか、そういった尺度で人生を選択してしまうと、大事な一生が台無しになってしまう可能性があるわけです。
要は自分に合った仕事、自分のやりたい仕事を探さないといけないと思うのです。
給料が高いからといった観点も駄目ですね。給料を高くしないと誰も来ないから高くしている会社だってあります。
話を元に戻しますと、私は決して塾の宣伝の為とか上位校合格者を出したいからとかいった理由で進路相談にはのっていません。あくまでも現状と照らし合わせて無理がないか、とか、
本人が将来どのような職業に就きたいのかといった観点から相談にのるだけです。
勉強が嫌いなのに普通科に入ったら、つまらない高校生活が待っているだけですし、我慢ができなくて、または落ちこぼれて高校を中退していまうかもしれません。そんな高校生活だけは送ってもらいたくありません。
さて、だからといって成績を上げなくても良いと言っているのではありません。
今は将来何がしたいのかわからなくても、ひょっとしたら何かがきっかけでやりたいことが見つかるかもしれません。そんなときに成績は良いに越したことはありません。
つまり、将来の選択肢を広げるということです。多治見北高校に行けるだけの偏差値があったとしても、将来漁師になりたいのであれば、そこに行くのは遠回りだし、大学受験の勉強も無駄です。
だったら、そういった勉強ができる学校に入ればいいだけのことです。実際過去にそういう生徒がいました。
また、別の生徒は多治見北高校は遠いから嫌だという生徒がいました。
それで、多治見西高校の蛍雪科に入りました。それで構いません。経済的に無理がなければ
近い方が良いです。冷暖房完備ですし(笑) まあ、先進国で冷房がない小中高がある国も珍しいですが。。
とにかく私は本人の気持ちを優先します。親御さんよりもです。
あと、参考の為ですが、岐阜県や愛知県はもとより、全国の偏差値ランキングというのはネットで調べればすぐにわかります。また、科によってどんな違いがあるのかなどは、学校に直接聞けば答えてくれます。
学校に電話をするというのは結構重要です。どんな対応をするかというのも一つの尺度になりますからね。
いろいろと書いてきましたが、大事なのは高校や大学ではなく、その先にあるということです。
そのためには色々な見学や体験をし、様々な情報を集め、見聞を広めるということです。
また、家族でよく話し合いをし、家族だけではなく他人の意見もよく参考にするとよいでしょう。
ちなみに私は商社に入りたくて貿易学科のある大学だけ探しました。当時は横浜と福岡にしかなかったので、比較的近くの横浜の大学に入りました。もちろん、中高で漠然と考えて具体的に勉強したわけではなかったので、実際に勉強していると、それほど興味が湧かなくなりました。そうこうしているうちに、世の中にある、あらゆるアルバイトを経験し、その中で正社員の働きぶりを観察していきました。どの仕事もつまらなそうに働いている正社員を横目で見て『世の中ってこんなもんかなあ。。』と思っていた頃、学習塾でアルバイトを始めました。そこでは皆生き生きと働いていて、自分自身仕事が楽しくて仕方ありませんでした。お金がもらえてこんなに楽しいならと、そのままその会社に就職してしまい、しばらく横浜で働いていました。
11年間勤めたあと、地元で学習塾を始めたわけです。人生どうなるかはわからないですね。
余談ですが、学習塾というのは夕方から仕事なので、寝坊しない限り、午前中は割と時間ができるわけです。それで、今では個人商社をやっています。午前の2時間ほどですが。。
つまり海外から物を仕入れて日本で売るといったことです。私が貿易の勉強をしていた頃は
インターネットはおろか、パソコンすら無かった時代です。なので、一般的には商社に入って会社員としてそういったことをするしかありませんでした。でも、今はインターネットがあり、パソコンも格安になりました。スマホだけでも頑張ればなんとかなる時代です。本当に個人で何でもできる時代になったと痛感しています。
将来の選択肢に「雇われる」を外すのもいいかもしれませんね。
しかし、何をするにしてもこれから勉強は必要です。もちろん教科書に載っていないことも含めてです。むしろ教科書に載っていないことの方が生きる上で大事なことが多いように感じます。