教える範囲 | 可児市・多治見市の学習塾【名学館 桜ヶ丘校】

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教える範囲

2020年05月28日
社会(歴史)を教えていると、中学生の場合、表面的な部分しか教科書や参考書には載っていない為、あまり深く理解することができません。
何が原因でどのような経緯でそのような事件が起きたのかを理解するには、高校の世界史なり日本史の勉強を待たなくてはいけません。

社会科に関しては他の教科と違って、多岐にわたる為、あまり欲張って色々教えると時間が足らなくなるということもあり、あまり深く掘り下げることはできません。
しかしながら、たとえ忘れても良いので、どうしてそのようなことが起きたのかを
説明する必要があると私は考えます。表面だけをさらっと終わらせてしまったら、
本来歴史を学ぶ意味すら無いと思います。歴史を学ぶことの意義は、現代社会に生きる上での知恵や教訓を得ることです。
ただ史実を淡々と暗記しても、あまり意味が無いのです。

たとえば、前代未聞の核戦争の危機「キューバ危機」は、教科書では、キューバにソ連が核ミサイル基地を建設し、
それをアメリカが発見して海上封鎖してソ連が譲歩して危機を回避しました」とだけあります。
これではどうしてソ連がアメリカからわずか150Kmしか離れていないキューバに建設しようとしていたのかがさっぱり分かりませんね。

スペインの支配→アメリカが解放→アメリカのマフィアによる砂糖や石油産業の実質的支配→アメリカ寄りの腐敗した政治→キューバ革命→
アメリカの輸出入制限→社会主義宣言→ソ連に接近
といった経緯が分からないと、ソ連がなぜ核ミサイル基地をキューバに建設しようとしたのかが理解できません。

また、石油危機は、教科書には「第4次中東戦争が原因で起こった」とだけ書いてありますが、
そもそも中東戦争とは何かを順を追って説明しないとさっぱり分かりません。
紀元前にパレスチナにユダヤ人が住んでいた→その後迫害され世界中に散る→シオニズム運動が起きる→
第二次世界大戦後イギリスが統治を放棄→国連に委ねる→アメリカの都合でユダヤ人に有利な土地の配分を行いアラブ人の不満が高まる→
第1次から第3次中東戦争でユダヤ人(イスラエル)とアラブ諸国との争いが起こる→1973年第4次中東戦争時、
アラブ諸国は石油輸出制限を武器に、親イスラエル国に揺さぶりをかける→石油危機
となります。

これを乱暴にも「第4次中東戦争が原因で」の一言で片づけられては何が何だかわからない状態で、
ただテストで表面上の出来事だけを記述し、テストが終わったら全て忘れ去るということが起きます。これではなんの為に歴史を学んでいるのかが分かりません。
ただの記憶作業をしているに留まり、最悪勉強嫌いを助長するだけです。

キューバ危機にせよ、石油危機にせよ、自分さえ良ければ全て良し、とする
人間の欲深さが原因で起きています。他の歴史的な事件についても、勝手に人の土地を奪ったり、
虐殺したり、私腹を肥やしたり、宗教の違いを認め合わなかったりしたことが原因です。
国と国、人と人でも基本的には同じです。仲良く平和に暮らすためには、自分の利益だけを
優先してはいけないということです。しっかりこのことを学ばないと、人類は再び戦争を起こし、
当事者だけでなく周りも巻き込んで不幸が連鎖的に広がっていきます。

話は変わりまして、大人になってからも勉強する人は、日本ではわずか7%です。
これは先進国では最低レベルです。総白痴化が進むわけです。
無理もありません。教育が間違っているからです。勉強に興味をそそられないから
そうなっているだけです。しかし、勉強は本来楽しいものです。ただテストの点を取るだけの為にやっているわけではありません。
また、志望校に受かる為だけにやっているわけでもありません。勉強とはそういうものではありません。

受験に合格する、という塾の使命も大事ですが、日々教える授業に関しては
どうしても割り切ることができないですね。

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