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大手学習塾がどうしても夏期講習をやりたい裏事情
- 2020年06月04日
- 今回の武漢肺炎の影響で3ヶ月ほど学校が休校になっていました。
その分の遅れを取り戻すべく、夏休みが大幅に短くなり、
この地域においては、学校の夏休みは、お盆を挟むわずか9日間しかありません。
ただ、それだけ夏休みを短くしたとしても、教科書内容を全て網羅することは不可能に近いです。
といいますのも、今年から学習指導要領が改訂され、各学年に新たな指導単元が追加された
からです。
そんな中、大手学習塾はあくまでも夏期講習を行う内容の広告を出していました。
大義名分としては、「大幅に遅れた学習内容を取り戻す」ということのようですが、
本当にそうなのでしょうか。学校側としては当然そのような危機感を持って
色々な対策を模索していることと思います。しかしながら、学習塾としては
そのような短い夏休み期間にまで、生徒を塾に来させて朝から晩まで缶詰めにして
夏期講習を行うのはどうかと思います。ただでさえ少なくなった夏休みを、生徒は
家族と一緒に過ごしたり、友達と遊んだりしたいのだと思います。
今年に限っては、これほどまでに貴重なお盆休みは無いと思います。
そんな貴重な時間まで奪ってよいのか、という感情を抱くのは私だけでしょうか。
と言いますのも、塾の裏事情が分かるからです。
私も若いころは大手学習塾で講師をしていました。そのような塾は正社員とアルバイト講師が混在して授業をしています。
塾と言いましても、そこは企業ですから、正社員にはボーナスを支給しなければなりません。
つまり、夏期講習による収入は正社員への賞与へと変わるわけです。
なので、なんとしても夏期講習をやらざるを得ないのです。それゆえ、夏期講習参加者のノルマが与えられ、
対生徒に執拗な勧誘を行い、それだけに終わらず、生徒の友達も夏期講習に誘うよう必死でセールスがなされます。
もちろん、そんなことを表立って言えるはずもなく、色々な理由をつけてチラシ、
広告を打ち、生徒、保護者、そのお友達に大々的にセールスが行われるのです。
当塾は個別指導型の小さな塾なので、学習の遅れはまず考えられません。
集団で授業を行っているわけでもないので、普通にゆっくり進んでいるつもりでも
学校よりは早くなります。ましてや学校がしばらく休校していたので、1学期分は先行して
しまいました。なので、学校が夏休みの間に進んでいたとしても、塾としては
今まで通り、復習中心の授業に切り替えて、夜間授業を行う予定です。
今年はどう考えても午前中に夏期講習を行うことはできません。
であれば、普段の授業を夏期講習でやっていた内容に切り替えれば済むことです。
授業料以外に夏期講習の費用は頂けませんが、それは仕方がないことです。
私の収入がほんの少し減るだけです（笑）逆にいつもなら、長時間勤務になる過酷な
夏でしたが、今年だけは通常通り、夕方から授業ができるわけで、肉体的には楽になります。
空いた時間を教材作りに充てたり、教室環境を整えたりすることに使おうかと思っています。
